MVP 高田延彦
- 年間最高試合賞
スタン・ハンセン×川田利明
6月5日/日本武道館/3冠ヘビー級選手権
- 最優秀タッグ賞
- 反選手同盟(越中詩郎/木村健吾/青柳政司/斎藤彰俊)
- 殊勲賞
- 蝶野正洋
- 敢闘賞
- 田上明
- 技能賞
- ウルティモ・ドラゴン
- 新人賞
- 秋山凖
- 20周年特別賞
- 新日本プロレス/全日本プロレス
- 特別大賞
- 三沢光晴
寸 評
ベストバウトは29歳の川田。MVPは30歳の高田。2大グランプリを、若きエースが制した。殊勲賞も29歳の蝶野。31歳の田上が敢闘賞。技能賞のドラゴンは26歳。最優秀タッグチーム賞を獲得した反選手会同盟のリーダー・越中は34歳だ。
いずれも30歳前後。スポーツ選手として、ピークを迎えたレスラーばかりだ。あくまで激しいプロレスで沸かせた92年の日本プロレス界を、ものの見事に象徴している。
プロレスにはキャリアが不可欠。確かにその通り。猪木や馬場のファイトには思わずうなずいてしまう魅力がある。だが、体力的に頂点にある者同士が、真正面からぶつかり合う迫力は駆け引きの妙を超越する。
川田は〝不沈艦〟ハンセンに玉砕覚悟で突撃した。ハンセン戦だけじゃない。三沢戦、田上戦はじめ、年間を通して、火の玉ファイトを展開。勝敗を超えたプロレスのだいご味を教えてくれた。
中でも、6・5日本武道館大会のハンセン戦では、激闘後の両者の表情、いかに密度が濃い21分18秒であったか、よく物語っていた。
MVPの高田は、北尾KOが何よりも大きかった。91年暮れ、プロボクシング元世界ヘビー級王者のバービックを下し、今年9月〝怪物〟オブライトに雪辱を果たした。数々の戦果など抜き。10月の北尾KOだけでMVPをとったといってもいい。
[選考委員長]桜井康雄(東京スポーツ新聞社取締役編集局長)[選考委員]鈴木晧三(東京スポーツ新聞社写真部部長)/加藤知則(東京スポーツ新聞社第二運動部部長)/川野辺修(東京スポーツ新聞社第二運動部次長)/柴田惣一(東京スポーツ新聞社第二運動部主任)/寿浦恵一(東京スポーツ新聞社第二運動部)/平塚雅人(東京スポーツ新聞社第二運動部)/楠崎弘樹(東京スポーツ新聞社第二運動部)/吉良輝夫(東京スポーツ新聞社写真部)/木明勝義(東京スポーツ新聞社写真部)/松下正雄(週刊ファイト)/清水勉(週刊ゴング編集長)/宍倉清則(週刊プロレス編集次長)/宮本久夫(デイリースポーツ)/川副宏芳(日刊スポーツ)/栗原研一郎(内外タイムス)/菊池孝(プロレス評論家)/門馬忠雄(プロレス評論家)(順不同)