MVP 天龍源一郎
- 年間最高試合賞
天龍源一郎 vs 長州力
1月4日東京ドーム/新日本 vs WAR対抗戦
- 最優秀タッグ賞
- 三沢光晴&小橋健太
- 殊勲賞
- 小橋健太
- 敢闘賞
- 橋本真也
- 技能賞
- 船木誠勝
- 新人賞
- 新崎人生/大谷晋二郎
- 功労賞
- 大熊元司
- 五千試合突破
記念特別功労賞 - ジャイアント馬場
- 特別賞
- 全日本女子プロレス
- 話題賞
- みちのくプロレス/ザ・グレート・サスケ
寸 評
86年から88年にかけて、3年連続でMVPを制した天龍。ベストバウトも87年から89年、91年と4回受賞した。〝俺たちの時代〟の代表者として日本マット界の顔となっていた。
ところが、92年は受賞者リストから消えてしまった。SWS崩壊からWAR設立と、冬の時代に甘んじている。
だが、新日本プロレスとの交流戦に乗り出したことで生き返った。ベストバウトに選ばれた1・4東京ドーム大会の長州戦を皮切りに、新日プロのメーンイベンターと熱闘を展開した。
長州、藤波辰爾との同世代決戦を、それぞれ1勝1敗の五分の星で切り抜けた。〝俺たちの時代〟の復権をアピールする好勝負の連続だ。
平成の戦士たちの勢いに押され気味だった〝俺たちの時代〟がよみがえったのだ。長州、藤波が熱気を取り戻したのも、天龍の頑張りに刺激されたからだろう。
そして、天龍のすごいのは世代を超えた名勝負を連発したことだ。橋本真也、蝶野正洋、馳浩ら平成の戦士とのシングル戦に連勝。代わる代わる名乗りをあげてくる、今が旬の新日勢を、ことごとくはね返してみせた。
敗れた選手が口をそろえる。「悔しいけど、天龍とぶつかることで、何かつかめるんだ。自分に何が足りないのか。何をやらなくちゃいけないのか」――。
これまでの団体交流戦では、団体のメンツ、意地が先立ってしまい、好勝負が誕生するのはマレだった。天龍は持ち前の器の大きさで、団体間の因習をぶち壊したのだ。
坂口征二新日プロ社長は「天龍はたいした男だよ」と、しみじみ語っている。リング上のファイトはもちろん、マット外の言動でも天龍は日本マット界の頂点に立ったといえる。
[選考委員長]桜井康雄(東京スポーツ新聞社取締役編集局長)[選考委員]鈴木晧三(東京スポーツ新聞社写真部部長)/加藤知則(東京スポーツ新聞社第二運動部部長)/川野辺修(東京スポーツ新聞社第二運動部次長)/柴田惣一(東京スポーツ新聞社第二運動部主任)/寿浦恵一(東京スポーツ新聞社第二運動部)/楠崎弘樹(東京スポーツ新聞社第二運動部)/木明勝義(東京スポーツ新聞社写真部主任)/吉良輝夫(東京スポーツ新聞社写真部)/山本隆司(週刊プロレス編集長)/清水勉(週刊ゴング編集長)/赤平隆(週刊ファイト)/宮本久夫(デイリースポーツ)/川副宏芳(日刊スポーツ)/福島則幸(内外タイムス)/菊池孝(プロレス評論家)/門馬忠雄(プロレス評論家)(順不同)