MVP 佐々木健介
- 年間最高試合賞
小橋建太 vs 秋山準
7月10日/東京ドーム
- 最優秀タッグ賞
- 高山善廣&鈴木みのる
- 殊勲賞
- 川田利明
- 敢闘賞
- 天山広吉
- 技能賞
- 鈴木みのる
- 新人賞
- 中嶋勝彦
- 話題賞
- 北斗晶
寸 評
MVPは早くから健介VS小橋の一騎打ち、と目されていたが、選考会は予想を上回る激しいデットヒートとなった。
ノミネートで真っ先に名前が挙がったのは健介。新日プロ、全日プロ、みちのく、DRAGON GATE、DDTなどメジャーからインディまで幅広く進出。新日プロ12・12大阪大会で天山に敗れ、IWGP王座からは転落したが「フリーになってから多くの団体で話題をふりまき、試合内容も格段に良くなった」「今年の流れを変える大活躍をした」などの声が上がった。
続いて、小橋がエントリー。GHC王者としてノアを引っ張っただけではなく、プロレス界全体への貢献に称賛の声が相次いだ。とりわけ、4・25日本武道館大会の小橋VS高山のGHC戦は、PRIDEグランプリの開幕戦と重なったことで注目されたが、小橋は逆風をハネ返す超死闘を展開。12・4横浜大会で、ザ・グラジエーターを下して達成した、GHC最多防衛記録V12も含め「素晴らしいファイトでプロレス自体を盛り返した」と最大級の賛辞が続出した。
さらに、日本マット界に衝撃を与えた野獣・藤田和之、毒舌と無駄のないレスリングスタイルで大暴れした「世界一性格の悪い男」鈴木みのるの名前も挙がった。
藤田は「5月のK-1MMAでボブ・サップを倒しプロレスラーの強さを示した。IWGPも取った実績も大きい」とプロレス、総合格闘技での快進撃が評価された。
また、みのるは「負けた試合でもインパクトがある。どんな展開でも自分の世界に引きずり込む強さがある」と独自のキャラクターと試合内容の濃さが注目された。
第1回投票は健介が13票、小橋が14票、藤田が1票、みのるが1票。小橋がわずか1票差で健介をリードしたが、過半数に1票及ばず決選投票にもつれ込んだ。
追い込まれた健介が逆転するには藤田、みのるに投票された2票を獲得するしかなかったが、鬼嫁・北斗晶を巻き込んだ活躍ぶりが後押しした。
「1年を通しテンションが落ちなかった。試合レベルも高く、素晴らしい試合を連発した。北斗とセットだけど、テレビにも頻繁に登場して、プロレスのイメージ回復に貢献した」カミさんもらって試合内容もコメントも良くなった」などと、健介ファミリーのサポートが評価を上積みさせた。
結果、決選投票では、健介が過半数の15票を獲得し、14票の小橋を逆転で抑え込んだ。健介のMVP初受賞が決まったが、近年まれに見るつばぜり合いに、選考会場は一瞬静まり返り、激闘の余韻はその後も続いた。
[選考委員長]柴田惣一(東京スポーツ第二運動部部長)[選考委員]堀内良夫(東京スポーツ取締役写真部長)/武田友芳(東京スポーツ執行役員編集局長補佐)/桑原洋(東京スポーツ第二運動部次長)/木明勝義(東京スポーツ写真部次長)/楠崎弘樹(東京スポーツ第二運動部主任)/初山潤一(東京スポーツ第二運動部主任)/柏原知幸(東京スポーツ第二運動部員)/高木圭介(東京スポーツ第二運動部員)/油浅健一(東京スポーツ第二運動部員)/野地教弥(東京スポーツ第二運動部員)/水沼一夫(東京スポーツ第二運動部員)/山下康幸(東京スポーツ第二運動部員)/小野慎吾(東京スポーツ第二運動部員)/平塚雅人(東京スポーツ特報部員)/荒牧徹(東京スポーツ写真部員)/下田知仁(東京スポーツ写真部員)/川田尚市(サンケイスポーツ)/佐藤博之(スポーツニッポン)/北村泰介(デイリースポーツ新聞社)/大西洋和(東京中日スポーツ新聞社)/藤中栄二(日刊スポーツ新聞社)/小河原俊哉(報知新聞社)/岡田京林(内外タイムス社)/本多誠(週刊プロレス編集長)/吉川義治(週刊ゴング編集長)/波々伯部哲也(週刊ファイト副編集長)/門馬忠雄(プロレス評論家)/菊池孝(プロレス評論家)(順不同)