MVP 棚橋弘至
- 年間最高試合賞
葛西純 vs 伊東竜二
11月20日/後楽園ホール/カミソリ十字架ボード+αデスマッチ
- 最優秀タッグ賞
- 曙&浜亮太
- 殊勲賞
- 杉浦貴
- 敢闘賞
- 真壁刀義
- 技能賞
- 飯伏幸太
- 新人賞
- 浜亮太
- 女子プロ大賞
- さくらえみ
- 功労賞
- 松永高司
テッド・タナベ
- 特別功労賞
- 三沢光晴
寸 評
この日の正午から行われた選考委員会で、最優秀選手の候補に挙がったのは棚橋と、ノアの新GHCヘビー級王者・杉浦貴の2人。棚橋は1回目の投票で、27票中22票と圧倒的支持を集めた。03、06年に敢闘賞、07年に殊勲賞を受賞しているが、ついに悲願のMVPの座に輝いた。初の栄冠に棚橋は「まだ気持ちがフワフワしてる感じっス…。プロレス界に入る時にオヤジに『日本で一番になってこい!』って言われていた。今日は、自称エースから日本のエースになれた記念日っス。ハハハッ」と満面の笑みを浮かべた。「棚橋イヤー」の幕開けとなった一戦は、新日プロ1・4東京ドーム大会の武藤敬司(全日本プロレス)戦だ。流出していたIWGPヘビー級王座の奪回に成功するとともに、真の世代交代を成し遂げた。中邑真輔、カート・アングル、後藤洋央紀を相手に3度の防衛に成功。5月に中西学戦で王座陥落するも、即座にリベンジに成功し再び戴冠。ノア・杉浦を相手に至宝を守り抜いた。
8月のG1クライマックスでは右眼窩内側壁を骨折し王座返上と欠場を余儀なくされた。復帰後の中邑とのIWGP戦でも、王座奪回に失敗してしまうなど山あり谷ありの一年だった。
しかし、上半期の充実ぶりと、年間を通じ8度の王座戦を行った活躍、加えてベストバウト選考でも計5試合がノミネートされるという、試合のクオリティーの高さが選考の決め手となった。
新日本からのMVPは武藤が在籍していた2001年以来、実に8年ぶりとなる。棚橋は「今年は新日本の完全勝利っスね。IWGPというものが再び業界の中心に戻ってきたんだな、と思う」と胸を張った。
とはいえ目指すゴールはまだまだ先だ。選考会では棚橋の活躍に「集客につながっていない。エースは客を集めてナンボ」という厳しい意見も挙がった。棚橋も「現状に満足しているわけではないんで。僕の全盛期はまだまだ先。これからもっとすげえことになると思ってますよ。2010年もMVPは予約しときます。(プロレステレビ中継の)地上波ゴールデン復活。大きい目標だとは思いますけど、業界全体を盛り上げていくことでつながってくる。来年中に何とかやっていきたい」とプロレス復興に向けて使命感を燃やした。
全日本プロレスの3冠王者・小島聡ら、いわゆる「第3世代」よりも下の世代では、初のMVP受賞者となった棚橋。新世代の担い手として、これからもリング上で「愛」を叫び続ける。
[選考委員長]柴田惣一(東京スポーツ運動専門委員)[特別選考委員]内館牧子(脚本家)[選考委員]原口典彰(東京スポーツ運動部部長)/米田和生(東京スポーツ写真部部長)/平塚雅人(東京スポーツ運動部次長)/柏原知幸(東京スポーツ運動部主任)/楠崎弘樹(東京スポーツ運動部主任)/小坂健一郎(東京スポーツ運動部員)/小野慎吾(東京スポーツ運動部員)/大島啓(東京スポーツ運動部員)/岡本佑介(東京スポーツ運動部員)/秋山直毅(東京スポーツ写真部員)/長島昌徳(東京スポーツ写真部員)/内田忠宏(東京スポーツ写真部員)/松下知生(東京スポーツ電子メディア室専門委員)/水沼一夫(東京スポーツ電子メディア室)/江坂勇始(サンケイスポーツ)/仁木弘一(スポーツニッポン新聞社)/藤沢浩之(デイリースポーツ)/大西洋和(東京中日スポーツ)/塩谷正人(日刊スポーツ)/勝田成紀(報知新聞社)/佐久間一彦(週刊プロレス編集長)/菊池孝(プロレス評論家)/門馬忠雄(プロレス評論家)/小佐野景浩(プロレスライター)/三田佐代子(サムライTVキャスター)(順不同)