MVP 杉浦貴
- 年間最高試合賞
プリンス・デヴィット&田口隆祐 vs 飯伏幸太&ケニー・オメガ
10月11日/両国国技館/IWGPジュニアタッグ選手権
- 最優秀タッグ賞
- 中西学&ストロングマン
- 殊勲賞
- 諏訪魔
- 敢闘賞
- 小島聡
- 技能賞
- カズ・ハヤシ
- 新人賞
- 岡林裕二
- 女子プロ大賞
- 高橋奈苗
- 東京スポーツ50周年
記念特別功労賞 - アントニオ猪木
- 特別功労賞
- ジョー樋口/ラッシャー木村/山本小鉄/星野勘太郎
寸 評
この日、午前11時30分から行われた選考委員会で、MVP候補に挙がったのは5人だった。杉浦は1回目の投票で25票中17票の支持を集め、決選投票を待たずしてMVPを獲得。昨年、初めて殊勲賞を受賞したハレンチ王が、デビュー10年のメモリアルイヤーで一気にプロレス界の頂点に駆け上がった。
「ファンの声援、拍手が欲しくてやってきた。何らかの形で認められたことはうれしいです」と杉浦は珍しく殊勝に話した。その言葉通り全力疾走し続けた1年間だった。
昨年12月にGHCヘビー級王座を獲得してから1年間、体を張って王者の責務を果たした。後藤洋央紀、真壁刀義、髙山善廣、秋山準、潮﨑豪、そして森嶋猛。並み居る強豪を退けてきた防衛ロードは、どの試合を挙げてもベストバウト級の呼び声が高かった。
杉浦はこう振り返る。「髙山さんとの試合がターニングポイント。チャンピオンのあり方、言動、プロとしての姿勢を教わった。秋山さんは、ボロボロになりながら生きざまを見せてくれた。あれで等身大の自分を見せようと思った。2人には感謝しています」
特別選考委員で脚本家の内館牧子氏が「たたずまい、姿勢がいい。小橋、秋山、若手が休む中で一人で頑張ってきた」と称賛の言葉を贈れば、各選考委員からも「四天王プロレスを消し去り、三沢、小橋、秋山に匹敵する戦いをしてきた」「背負ってるものの大きさが違う」「ピープルズチャンピオンを体現した」という声が飛び交った。
ノア創立10周年の今年は団体の象徴でもある小橋建太、秋山準、丸藤正道、森嶋猛、力皇猛、KENTAらの主力が次々とケガで欠場するなか、孤軍奮闘を続けてきた。
もちろん、2011年もまだまだ走り続ける。くしくもこの日、もうひとつの“朗報”が届いた。ノアの仲田龍GMによると、来年5月14日(日本時間15日)に、ノア英国大会の開催が内定したという。仲田氏は「GHCの選手権をメーンにしてほしいという要望があるので、チャンピオンには防衛戦をしてもらいたいと思います」と明かした。
10月にメキシコマットでV6戦を行っている杉浦は「来年はもっとグローバルに海外でやりたい。馬場さん、ハリー・レイス、テリー・ファンク、ジャック・ブリスコは毎日のように防衛戦をやってきた。俺も欧州で、そういう防衛ロードを歩みたい」と歴代名王者の名を挙げ目を輝かせた。5月15日(日本時間16日)にはドイツの団体からタイトル戦開催の依頼が届いており2か国で2日連続防衛戦を行う方針だ。
英国、ドイツでのGHC戦が実現すれば、日本メジャー団体のヘビー級王座では、史上初の快挙になる。「もっともっと業界全体を盛り上げたい」と杉浦。箱舟の新たな船長として世界の大海原を駆け巡る。
[選考委員長]柴田惣一(東京スポーツ運動専門委員)[特別選考委員]内館牧子(脚本家)[選考委員]原口典彰(東京スポーツ運動部部長)/平塚雅人(東京スポーツ運動部次長)/細島啓輔(東京スポーツ写真部次長)/楠崎弘樹(東京スポーツ運動部主任)/柏原知幸(東京スポーツ運動部主任)/秋山直毅(東京スポーツ運動部主任)/水沼一夫(東京スポーツ運動部員)/小坂健一郎(東京スポーツ運動部員)/大島啓(東京スポーツ運動部員)/岡本佑介(東京スポーツ運動部員)/長島昌徳(東京スポーツ写真部員)/内田忠宏(東京スポーツ写真部員)/秋本正己(報知新聞社)/江坂勇始(サンケイスポーツ)/大西洋和(東京中日スポーツ)/仁木弘一(スポーツニッポン新聞社)/藤沢浩之(デイリースポーツ)/森本隆(日刊スポーツ新聞社)/佐藤正行(週刊プロレス編集長)/菊池孝(プロレス評論家)/門馬忠雄(プロレス評論家)/小佐野景浩(プロレスライター)/三田佐代子(サムライTVキャスター)(順不同)