MVP 棚橋弘至
- 年間最高試合賞
小橋建太&武藤敬司 vs 矢野通&飯塚高史
8月27日/日本武道館/東日本大震災復興支援
チャリティープロレス「ALL TOGETHER」
- 最優秀タッグ賞
- 関本大介&岡林裕二
- 殊勲賞
- 秋山準
- 敢闘賞
- 永田裕志
望月成晃
- 技能賞
- KENTA
- 新人賞
- 鈴川真一
- 女子プロ大賞
- 愛川ゆず季
寸 評
この日行われた選考委員会で、最優秀選手の候補に挙がったのは棚橋と中邑真輔、ノア・KENTAの3人。棚橋は1回目の投票で24票中23票を集める圧倒的支持を集めた。「今年の顔と言えるのは棚橋」「他団体の王者と比べても自分の団体とプロレス界を引っ張ろうという覚悟が違う」という声に後押しされ、文句なしの受賞となった。
他の追随を許さなかった今年はまさに「棚橋の年」だった。1・4東京ドームで小島聡からIWGP王座奪還を果たすと、破竹の防衛ロードをばく進。6月の後藤洋央紀戦、9月の中邑真輔戦、10月の内藤哲也戦の3試合がベストバウト候補に挙がるなど高レベルの試合を連発し、IWGP最多タイとなる連続防衛10を達成した。さらに5月にはIWGP史上初めて米国で王座戦開催、さらに9月にはメキシコ遠征と、海外でもその存在を大いにアピールした。
また一方では、東日本大震災直後から団体の垣根を越えた「チャリティーオールスター戦」をいち早く提唱。後に実現した32年ぶりの夢決戦「ALL TOGETHER」でもメーンでメジャー3団体の王者トリオを結成し、主役の重責を果たした。
2年ぶり2度目の栄冠に輝いた棚橋は「今年のほうがうれしいですね。2009年はケガで2か月休んでしまったけど、今年は1年間走り続けることができましたし。歯車がガッチリかみ合った」と満面の笑みだ。同時に「これでハードルが上がると思います。変化、進化が求められるけど、そのへんは俺の最も得意とするところなんで。2012年も期待してください!」と更なる飛躍を誓った。
38年にも及ぶプロレス大賞の歴史で複数回MVPを受賞したのはアントニオ猪木、故ジャイアント馬場さん、故ジャンボ鶴田さん、天龍源一郎、武藤、小橋の6人。そうそうたる名レスラーの仲間入りを果たし、今後は偉大なる先輩たちの記録にも挑むこととなる。
最も意識するのが猪木と天龍の持つ「3年連続MVP(猪木1976~78年、天龍86~88年)」の記録だ。棚橋は「去年取れなくてメチャクチャ悔しかったんですけど、同時に連続して取るのって本当に難しいなって。身をもって感じた驚異的な記録だからこそ、挑戦しがいがある」と、継続中のIWGP連続防衛記録とともに同記録の更新=4年連続MVP達成を一大野望に掲げた。もちろん最終的には猪木の持つ通算受賞記録「6」超えも狙うつもりだ。
「MVP=日本一のレスラーですから。何度でも言いますが、プロレス界は俺に任せてください!」。再び頂点に立った棚橋。さらなる進化を遂げた逸材は、プロレス史に名を残す名レスラーへの道を着実に歩んでいる。
[選考委員長]柴田惣一(東京スポーツWeb東スポ編集長)[特別選考委員]内館牧子(脚本家)[選考委員]原口典彰(東京スポーツ運動部部長)/平塚雅人(東京スポーツ運動部次長)/細島啓輔(東京スポーツ写真部次長)/楠崎弘樹(東京スポーツ運動部次長)/秋山直毅(東京スポーツ写真部主任)/水沼一夫(東京スポーツ運動部員)/小坂健一郎(東京スポーツ運動部員)/大島啓(東京スポーツ運動部員)/岡本佑介(東京スポーツ運動部員)/下田知仁(東京スポーツ写真部員)/前田利宏(東京スポーツ写真部員)/江坂勇始(サンケイスポーツ)/仁木弘一(スポーツニッポン新聞社)/藤沢浩之(デイリースポーツ)/大西洋和(東京中日スポーツ)/小谷野俊哉(日刊スポーツ新聞社)/勝田成紀(報知新聞社)/佐藤正行(週刊プロレス編集長)/菊池孝(プロレス評論家)/門馬忠雄(プロレス評論家)/小佐野景浩(プロレスライター)/三田佐代子(サムライTVキャスター)(順不同)