MVP オカダ・カズチカ
- 年間最高試合賞
オカダ・カズチカ vs 天龍源一郎
11月15日/両国国技館
- 最優秀タッグ賞
- 大仁田厚&長与千種
- 殊勲賞
- 鈴木みのる
- 敢闘賞
- 岡林裕二
- 技能賞
- 本間朋晃
- 女子プロ大賞
- 紫雷イオ
- 特別功労賞
- 天龍源一郎
寸 評
この日の選考会でMVP候補に名前を連ねたのは、オカダと天龍の2人。引退イヤーでプロレス界を盛り上げ、各メディアに引っ張りだこだった天龍に「リアルレインメーカーになった」といった声が上がったなかで、オカダは「(MVPは)未来形であるべき」「業界のトップとして天龍引退試合の大役を果たした」と高い評価を得た。結果的に1回目の投票で19票中11票を集めたオカダが、同賞史上最も極端なマッチレースを制した。
2015年は1月4日東京ドーム大会で棚橋弘至との頂上決戦に敗れ涙のスタートとなったが、7月にAJスタイルズを撃破しIWGPヘビー級王座に返り咲き。新日プロが21年ぶりに再進出した大阪城ホールにカネの雨を降らせると、10月の両国大会では初防衛に成功した。
さらに11月には天龍の引退試合で勝利を収め、「昭和」から「平成」へと時代のバトンを受け取った。プロレス史に永遠に残る「オカダVS天龍」は年間最高試合にも選出された。3度目のベストバウト受賞となり、12年に自身が達成して以来となる2冠の栄誉に輝いた。
2年ぶり3度目のMVPについて、オカダは「活躍が認められてうれしいっす。新日本プロレスを引っ張ってきた自負があるんで」とニヤリ。天龍戦がベストバウトに選ばれたことには「正直、複雑ですね。まだまだつらい試合は(他にも)ありましたし」としながらも「二度とない試合という意味では、昭和のプロレスファンに今のプロレスを見せられたのはよかった。普段、連絡来ないような人からの反響もありました」と、プライドをのぞかせた。
プロレス大賞においてMVP3度は、6度受賞のアントニオ猪木、4度の天龍、武藤敬司に次ぐ歴代4位タイの記録で、故ジャンボ鶴田さんと棚橋に並ぶ。28歳の若さにしてそうそうたるメンバーに名を連ねたが「6度が最多? 超えるでしょ。簡単な話。あんまり記録にこだわりはないですけどね」と堂々と言い切った。
過去の受賞時には歴代の名レスラーに「僕と同じ時代じゃなくてよかった」と大口を叩いた。だが、実は天龍と直接肌を合わせたことで記録の重みも知ったという。「猪木さんのことはもう(試合で知ることはでき)ないけど、天龍さんは(試合を通じて)知っちゃいましたからね。これから後は、こういうことで比べられていく。やっぱりまだ自分がやってない3年連続(MVP)とかも取りたいですから」と責任感も見せた。
「来年の抱負も言っていいすか? そろそろ結婚したいです(笑い)。相手がいたらこんなこと言わないんですけど。プライベートも充実すればリング上ももっと充実するかなって思うんで。理想のタイプですか? 特にありません」と新たな“野望”もぶち上げた。プロレスの未来を背負うレインメーカーが中心にいる限り、カネの雨がやむことはない。
[選考委員長]大沢裕治(東京スポーツ新聞社運動部部長)[選考委員]初山潤一(東京スポーツ新聞社運動部副部長)/細島啓輔(東京スポーツ新聞社写真部副部長)/平塚雅人(東京スポーツ新聞社運動部次長)/秋山直毅(東京スポーツ新聞社写真部主任)/瀬谷宏(東京スポーツ新聞社運動部主任)/松本哲也(東京スポーツ新聞社運動部員)/小坂健一郎(東京スポーツ新聞社運動部員)/岡本佑介(東京スポーツ新聞社運動部員)/前田利宏(東京スポーツ新聞社写真部員)/柳田博(スポーツニッポン新聞社)/大島一郎(デイリースポーツ)/大西洋和(東京中日スポーツ)/桝田朗(日刊スポーツ)/吉松祐(サンケイスポーツ)/佐藤正行(週刊プロレス編集長)/門馬忠雄(プロレス評論家)/小佐野景浩(プロレスライター)/元井美貴(サムライTVキャスター)(順不同)