MVP 内藤哲也
- 年間最高試合賞
丸藤正道 vs オカダ・カズチカ
7月18日/北海きたえーる/G1クライマックスAブロック公式戦
- 最優秀タッグ賞
- 関本大介&岡林裕二
- 殊勲賞
- 宮原健斗
- 敢闘賞
- 中嶋勝彦
- 技能賞
- ケニー・オメガ
- 新人賞
- 橋本千紘
- 女子プロ大賞
- 紫雷イオ
- 功労賞
- ハヤブサ
寸 評
この日の選考委員会で最優秀選手賞の候補に名前が挙がったのは内藤、オカダ、ケニー・オメガの3人。なかでも激動の新日本において新たな景色をつくり上げた内藤に対し「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)現象を巻き起こした。会場でもグッズを着用したファンが目立った」「1年前のブーイングを拍手と歓声に変えた」と高い評価が集中した。1回目の投票で21票中18票という圧倒的支持を集め、文句なしのMVPに輝いた。
年始から激震が走った新日プロの救世主となった。中邑真輔ら主力選手が退団して米WWEへ移籍。内藤は相次ぐピンチをチャンスに変えた。木谷高明オーナーまで標的とした制御不能な発言でファンの心をつかむや、4月の両国大会でオカダを破り、悲願のIWGPヘビー級王座初戴冠を果たす。この試合の入場時が時代の変革を確信した瞬間だった。「見たことがない雰囲気だった。(観客は)新しい時代を求めているんだなと」(内藤)
6月の大阪大会でベルトを失ったものの、9月の神戸大会でインターコンチネンタル王座を獲得。G1クライマックスを含め、ベストバウト級の好試合を連発した。内藤率いるLIJは常に話題を振りまき続け、大ブレークした。
2006年のデビューから初めてのプロレス大賞受賞がMVPという一大飛躍。内藤はライバル・オカダの2億円プロジェクトを引き合いに出すと「今年の2月の段階で、俺と某選手の間には2億円の差があったわけですよ。それをひっくり返してMVPになったということは…。最低でも2億円以上、43回の歴史の中で最も価値のあるプロレス大賞MVPなんじゃないの?と思いますね」と言い放った。
MVPは11年から5年間、オカダと棚橋弘至で独占。業界に新時代を到来させ「風穴程度じゃないでしょ。ダントツで俺だったんでしょ? これからみんな俺を追っかけてくることになるんじゃないですか?」と高らかに宣言した。
愛する広島カープが25年ぶりのセ・リーグ優勝を果たした年に天下を取り「これもデスティーノ(運命)ですよ。来年の抱負? え、まだ2016年なのにもう聞いちゃいます? その答えはもちろん…トランキーロ、焦んなよ!」と不敵な笑み。
制御不能な快進撃で、これからもプロレス史を塗り替えていく。
[選考委員長]大沢裕治(東京スポーツ新聞社運動部部長)[選考委員]沼田潔(東京スポーツ新聞社制作部部長)/細島啓輔(東京スポーツ新聞社写真部副部長)/初山潤一(東京スポーツ新聞社運動部副部長)/平塚雅人(東京スポーツ新聞社運動部次長)/瀬谷宏(東京スポーツ新聞社運動部次長)/秋山直毅(東京スポーツ新聞社写真部主任)/長島昌徳(東京スポーツ新聞社写真部主任)/小坂健一郎(東京スポーツ新聞社運動部員)/前田聡(東京スポーツ新聞社運動部員)/岡本佑介(東京スポーツ新聞社運動部員)/吉松祐(サンケイスポーツ)/佐藤博之(スポーツニッポン新聞社)/洪経人(デイリースポーツ)/大西洋和(東京中日スポーツ)/桝田朗(日刊スポーツ)/酒井隆之(報知新聞社)/佐藤正行(週刊プロレス編集長)/門馬忠雄(プロレス評論家)/小佐野景浩(プロレスライター)/元井美貴(サムライTVキャスター)(順不同)