MVP 内藤哲也
- 年間最高試合賞
オカダ・カズチカ vs ケニー・オメガ
1月4日/東京ドーム/IWGPヘビー級選手権
- 最優秀タッグ賞
- 諏訪魔&石川修司
- 殊勲賞
- YAMATO
- 敢闘賞
- 柴田勝頼
- 技能賞
- 鈴木秀樹
- 新人賞
- 青柳優馬
- 女子プロ大賞
- 紫雷イオ
- 特別賞
- 松井珠理奈
(ハリウッドJURINA)
寸 評
この日の選考会で最優秀選手賞の候補には内藤、オカダ、ケニーの3人の名前が挙がった。オカダが年間を通じてIWGPヘビー級王座防衛を重ね、団体の柱として活躍した一方、内藤は真夏の祭典「G1クライマックス」を制覇した上に、抜群の会場人気を誇った。
「実力のオカダ、人気の内藤」が審査員の声を二分するなか、常に自ら話題を発信し続けてファンを魅了した制御不能男が、1回目の投票で21票中15票を獲得して2年連続2度目のMVPに輝いた。
昨年のプロレス界を席巻したロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン旋風は、今年も衰えることを知らなかった。上半期はIWGPインターコンチネンタル王者として4度の防衛戦に臨んだ。8月にはG1を制して来年1月4日東京ドーム大会でのIWGP王座挑戦権利証を獲得した。ICベルト破壊や、本紙を相手にしたファミレスでの計画的食い逃げ連発など賛否両論の言動もあったものの、結果的にファンの視線と声援は内藤に集中した。
2年連続以上のMVP受賞はアントニオ猪木(1976~78年と80、81年)、ジャンボ鶴田(83、84年)、天龍源一郎(86~88年)、オカダ(2012、13年)に次ぐ史上5人目の快挙となる。プロレス大賞の歴史にその名を刻み込んだ内藤は「まあ当然といえば当然の結果かな。まさにデスティーノ…運命ですよ」と勝ち誇った。
内藤が最も重要視したのは、ドーム決戦で雌雄を決する王者との争いを制してのMVP獲得という点だ。「俺は去年から言ってますよね。内藤哲也の価値はIWGPの価値を上回っているって。1年間、IWGPを防衛しても、内藤は超えられないってことですよ。オカダが俺を超えるにはドームで俺に勝つしかないんじゃないですか? 現に俺は今年、彼に直接負けてないわけですし」。マット界において絶対的な存在になったという自負は、さらに強固なものとなった。
プロレスファン時代から変わらない目線を貫き、タブーなき制御不能な言動で“民意”を代弁し続けた。内藤は「彼(オカダ)の実力は認めますよ。もちろん試合で勝つこと、リングの上での強さが大事なのは大前提。でもプロレスラーに必要なのはそれだけではない。リング外でどれだけお客さまを楽しませるか、ワクワクさせるか、そしてどれだけ共感させることができるのか。その点において今、内藤に勝るレスラーはいないということでしょ」と豪語。2年連続MVP獲得の理由を明確に分析した。
しかし晴れの日にもかかわらず、ドーム決戦のIWGP・USヘビー級王座戦(ケニー・オメガVSクリス・ジェリコ)がダブルメーンとなったことについては「新日本はいつまで海外の某団体にゴマをするんですか?」と会見で毒を吐くことも忘れなかった。
会見後は恒例のファミレス独演会で、1時間以上も本紙に長々とくだを巻き続けた。「新日本もせめて、なぜダブルメーンにしたのかを説明すべきだよね。それにしてもMVP受賞のおかげか、今日の料理は格別にうまい。感動だよ。ちょっとシェフにあいさつをしてきたい」とフランス人のように席を外して厨房に向かったものの、再び戻ってくることはなかった…
[選考委員長]大沢裕治(東京スポーツ新聞社運動部部長)[選考委員]沼田潔(東京スポーツ新聞社総合制作部本部長)/細島啓輔(東京スポーツ新聞社写真部副部長)/高橋真孝(東京スポーツ新聞社総合制作部副部長)/初山潤一(東京スポーツ新聞社運動部副部長)/平塚雅人(東京スポーツ新聞社運動部次長)/瀬谷宏(東京スポーツ新聞社運動部次長)/秋山直毅(東京スポーツ新聞社写真部次長)/長島昌徳(東京スポーツ新聞社写真部主任)/小坂健一郎(東京スポーツ新聞社運動部主任)/前田聡(東京スポーツ新聞社運動部員)/岡本佑介(東京スポーツ新聞社運動部員)/吉松祐(サンケイスポーツ)/洪経人(デイリースポーツ)/大西洋和(東京中日スポーツ)/桝田朗(日刊スポーツ)/酒井隆之(報知新聞社)/湯沢直哉(週刊プロレス編集長)/門馬忠雄(プロレス評論家)/小佐野景浩(プロレスライター)/元井美貴(サムライTVキャスター)(順不同)