MVP 棚橋弘至
- 年間最高試合賞
ケニー・オメガ vs オカダ・カズチカ
6月9日/大阪城ホール/IWGPヘビー級選手権
- 最優秀タッグ賞
- 諏訪魔&石川修司
- 殊勲賞
- 丸藤正道
- 敢闘賞
- 清宮海斗
- 技能賞
- 内藤哲也
- 新人賞
- 林下詩美
- 女子プロ大賞
- 藤本つかさ
寸 評
MVP候補には棚橋、ケニー、オカダの名前が挙がった。IWGPヘビー級王者として世界中のファンを魅了するケニー、5月にIWGP王座新記録となる連続防衛12回を達成したオカダに対し、棚橋は真夏の祭典「G1クライマックス」での復活優勝が高く評価された。
また主演映画「パパはわるものチャンピオン」の公開、TBS系の人気番組「情熱大陸」に出演するなど、リング外でもプロレス普及に尽力。「活動の幅が広く、プロレスの社会的地位を向上させた」「プロレスの面白さを全国、まだファンでない人たちに伝えた」と称賛の声が相次ぎ、1回目の投票で23票中18票を集め4年ぶりのMVP返り咲きを果たした。
過去3度のMVPと比べても「一番うれしい」と破顔一笑の棚橋は「プロレスを見たことのない人にいかに届けるかを常に考えていて。気づいたことは一般的な知名度と(観客)動員は比例する。『クソ有名になります』と言い続けてきて、それが成就した一年だったのかな」と充実の2018年を振り返った。
浮き沈みの激しいドラマチックなレスラー人生は、平成のプロレス界と重なる部分が多い。2000年代は「暗黒時代」と呼ばれ、観客動員も激減した。だが棚橋を筆頭としたレスラーたちのたゆまぬ努力とファンサービスが結実し、新日プロはV字回復を果たした。その立役者となった平成の大エースこそ、平成最後のMVPにふさわしい。
「まだ2年連続(MVPを)取ったことがないんですよね。平成最後のMVPなので、新元号最初のMVPも取りますよ。“元号またぎ”します。『100年に一人の逸材』感が増しますね」と、野望を口にした。
4度のMVPはアントニオ猪木の6度に次ぐ歴代2位タイで、天龍源一郎、武藤敬司の両巨頭に並び、平成デビュー組では初の快挙。昭和の時代を彩ってきた名レスラーたちに追いついた棚橋は「猪木さんの追撃態勢に入りましたね。天龍さんが引退されて、武藤さんが一線を引いているなかで、追撃できるのは俺しかいない。記憶と記録を塗り替えていきます」と力強く宣言した。
その第一歩が来年1月4日東京ドーム大会でのケニーとのIWGP戦だ。「(16、17年のドームで)オカダ、内藤(哲也)に連敗して世代交代を許してきた。時代の流れかと諦めてた方もいたと思うんですけど、気持ちは途切れていなかったので。2年間ドームのメインから外れてどういう思いでやってきたのかをぶつけたいですね」。長きにわたりプロレス界を照らし続けてきた太陽。何度沈もうとも、日はまた昇る。
[選考委員長]大沢裕治(東京スポーツ新聞社運動部部長)[選考委員]沼田潔(東京スポーツ新聞社総合制作部本部長)/細島啓輔(東京スポーツ新聞社写真部副部長)/四元善博(東京スポーツ新聞社総合制作部副部長)/初山潤一(東京スポーツ新聞社運動部副部長)/平塚雅人(東京スポーツ新聞社運動部専門委員)/楠崎弘樹(東京スポーツ新聞社運動部次長)/秋山直毅(東京スポーツ新聞社写真部次長)/瀬谷宏(東京スポーツ新聞社運動部次長)/長島昌徳(東京スポーツ新聞社写真部主任)/小坂健一郎(東京スポーツ新聞社運動部主任)/前田聡(東京スポーツ新聞社運動部員)/岡本佑介(東京スポーツ新聞社運動部員)/吉松祐(サンケイスポーツ)/宗野周介(スポーツニッポン新聞社)/洪経人(デイリースポーツ)/大西洋和(東京中日スポーツ)/阿部健吾(日刊スポーツ)/酒井隆之(報知新聞社)/湯沢直哉(週刊プロレス編集長)/門馬忠雄(プロレス評論家)/小佐野景浩(プロレスライター)/元井美貴(プロレスキャスター)(順不同)