MVP 内藤哲也
- 年間最高試合賞
グレート・ムタ vs 中邑真輔
(1月1日 日本武道館)
- 最優秀タッグ賞
- 後藤洋央紀 & YOSHI-HASHI
- 殊勲賞
- 高橋ヒロム
- 敢闘賞
- 拳王
- 技能賞
- 青柳優馬
- 新人賞
- 斉藤ブラザーズ
(斉藤ジュン & 斉藤レイ)
- 女子プロ大賞
- 中野たむ
寸 評
50回の節目を迎えた選考委員会は、今年も〝鉄人〟小橋建太が「特別選考委員」として参加した。また、選考委員を1回目から務める本紙OBでプロレス評論家の門馬忠雄氏や、各メディアの有識者を含めた計19人が選考委員を務め、4年ぶりの対面形式で行われた。
「最優秀選手賞」から白熱した議論が交わされた。ノミネートされたのは内藤哲也、高橋ヒロム、SANADAの新日本プロレス勢とノアの拳王。内藤については「タイトル戦こそなかったが、1月のノアとの対抗戦で大将として臨み、拳王に勝利。また2月の武藤敬司引退試合の相手を務め、G1優勝などで常に話題の中心だった」ことを評価する声が上がった。
ヒロムは小橋らが推した。小橋は「1・4でIWGPジュニア王者になって今も守り抜いている。『オールスター・ジュニアフェスティバル』を提唱したり、他団体に出たり、活躍が目に留まった」と理由を説明した。小橋は拳王も推して「ユーチューブでも注目を集めてプロレスを世間にアピールした点と、チャンピオンになってしっかり団体を支えている」と評価した。門馬氏はSANADAを推薦。「技が堅実。オーソドックスさがある。スタミナもある。全日本の新人のころから見ているが、成長している。IWGP世界ヘビーのベルトを巻いた実績もある」と述べた。
投票では内藤が11票、ヒロムが6票、SANADAが2票、拳王が0票となり、1回目で内藤が過半数を獲得。MVPに輝いた。
「年間最高試合賞」の候補となったのは、ウィル・オスプレイVS丸藤正道(ノア、9・17後楽園)、中嶋勝彦VS宮原健斗(ノア、7・15後楽園)、ケニー・オメガVSオスプレイ(新日本、1・4東京ドーム)、中邑真輔VSグレート・ムタ(ノア、1・1日本武道館)、高橋ヒロムVSフジタ〝Jr〟ハヤト(みちのく、10・15岩手・矢巾町民総合体育館)、内藤哲也VSオカダ・カズチカ(新日本、8・13両国国技館)。
「入場から試合後に中邑が泣く場面まで、1試合で映画を見ているような感じ。あれ以上の感激はなかった」と高評価の声が上がった中邑VSムタ戦と、「久しぶりに歓声ありのG1で、かつてのプロレス界の盛り上がりを感じさせた。新日本の看板が、持てるものを全て出した、レベルの高い試合だった」と推薦された内藤VSオカダ戦の決選投票となり、13票を獲得した中邑VSムタ戦が栄誉に輝いた。
「最優秀タッグ賞」は大接戦となった。ジュン&レイの斉藤ブラザーズ(全日本)、橋本千紘と優宇の「チーム200キロ」(センダイガールズ)、後藤洋央紀&YOSHI―HASHIの「毘沙門」(新日本)、野村卓矢&阿部史典の「アストロノーツ」(大日本)、新日本の極悪ユニット「ハウス・オブ・トーチャー」(H.O.T)、そして諏訪魔&鈴木秀樹組(全日本)がノミネートされた。1回目の投票では「世界タッグ王者に輝き、ミヤギテレビの『TAXIめし』で人気を博した」とマット内外の活躍を評価する発言が出た斉藤ブラザーズと、「ワールドタッグリーグ3連覇。それで入れないのはおかしい」(門馬氏)と推されたIWGP世界タッグ王者の毘沙門がともに7票を獲得。決選投票にもつれ込み、10票を得た毘沙門がわずか1票差で斉藤ブラザーズを退けた。
「殊勲賞」はSANADA、高橋ヒロムに加え、「武藤の引退試合後のノアはどうなるんだ、という中で清宮に勝ってベルトを取って防衛を重ねた。冬までノアを支えた」との声が上がったジェイク・リー(ノア)、「ユーチューブでの活躍やGHC王者にもなった」と好印象の拳王がノミネート。4人の争いとなり、12票を獲得したヒロムに決定した。
「敢闘賞」は拳王が選ばれた。中嶋勝彦、ジェイク・リー、青柳優馬(全日本)との争いとなったが「ユーチューブという武器も持っているので、内藤選手に続く立ち位置でプロレス界をけん引していた実感がある」と評価された拳王に、1回目の投票で11票が入った。
「技能賞」はSHO(新日本)、ザック・セイバーJr.(新日本)、平田一喜(DDT)、フジタ〝Jr〟ハヤト(みちのく)、辻陽太(新日本)、青柳優馬、永田裕志(新日本)の争いに。1回目の投票を経て「H.O.Tの一員として大いに会場を沸かせ、KOPWも保持した」と評価されたSHOと、「全日本の柱」「何でもうまい」という声が上がった優馬の一騎打ちとなり、11票を獲得した優馬が選ばれた。
「新人賞」は、惜しくも最優秀タッグ賞を逃した斉藤ブラザーズが満を持して選ばれた。36歳という年齢に小橋から「えええ!」という驚きの声も上がったが、ボルチン・オレッグ(新日本)、大岩陵平(新日本)、ZONES(エボリューション女子)とともに候補に挙がる中、1回目の投票で過半数の13票を得た。
「女子プロレス大賞」は選考委員から5選手の名前が挙がった。小橋が「活躍は説明するまでもない。女子プロ界を見ても、今年一番目立っていたのかなと思う」と評価したウナギ・サヤカや、「ジュリア選手との対決を制してワールド王座に輝き、ワンダー王座も取り2冠に。ケガをしているが、それは貢献の結果。女子プロレス大賞にふさわしい活躍」と推薦する声が上がった中野たむ(スターダム)、山下実優(東京女子)、山下りな、安納さおりの投票に。1回目で11票と過半数を得た中野が女子プロレス大賞に輝いた。
【選考委員長】初山潤一(東京スポーツ新聞社編集局次長兼運動二部部長)【特別選考委員】小橋建太【選考委員】紙谷光人(東京スポーツ新聞社写真映像部部長)/下田知仁(東京スポーツ新聞社写真映像部副部長)/中村亜希子(東京スポーツ新聞社運動二部次長)/小坂健一郎(東京スポーツ新聞社運動二部次長)/岡本佑介(東京スポーツ新聞社運動二部エキスパート)/松下樹(東京スポーツ新聞社デジタルメディア室次長)/前田聡(東京スポーツ新聞社運動二部主任)/木元理珠(東京スポーツ新聞社運動二部部員)/山口高明(東京スポーツ新聞社写真映像部部員)/水足丈夫(デイリースポーツ)/大西洋和(東京中日スポーツ)/千葉修宏(日刊スポーツ)/湯沢直哉(週刊プロレス編集長)/小佐野景浩(プロレスライター)/元井美貴(プロレスキャスター)/今野利明(サムライTVプロデューサー)/門馬忠雄(プロレス評論家)<順不同>