2025

MVP 上谷沙弥

年間最高試合賞

OZAWA vs 清宮海斗

1月1日/日本武道館/GHCヘビー級選手権

最優秀タッグ賞
Yuto-Ice&OSKAR
殊勲賞
KONOSUKE TAKESHITA
(竹下幸之介)
敢闘賞
Sareee
技能賞
棚橋弘至
女子プロ大賞
上谷沙弥
新人賞
武知海青
特別話題賞
有田哲平

寸 評

52回目を迎えたプロレス大賞は、前回に続き「にしたんクリニック」が協賛し、「東京スポーツ新聞社制定2025年度プロレス大賞supported byにしたんクリニック」として開催されることが決定した。

12月16日、都内で選考委員会が開かれた。今年も〝鉄人〟小橋建太が「特別選考委員」に就任。各メディアの有識者らを含めた計19人の選考委員(うち、1人は体調不良のため欠席し、事前投票。決選投票は18人で実施の場合も)が白熱した議論を展開した。

選考委員長を務める東京スポーツ新聞社編集局次長の初山潤一が冒頭、「時代が大きく変化していく中、社内、社外の立場から多様な視点がより意義のある選考につながると考えております。みなさま忌憚のないご意見を頂戴できれば幸いです」とあいさつ。続いて小橋が「今日も熱い会議で2025年のプロレス大賞受賞者を決めていきたいと思いますので、よろしくお願いします」と活発な議論を促した。


【最優秀選手賞(MVP)】
ノミネートされたのは後藤洋央紀(新日本)、上谷沙弥(スターダム)、KONOSUKE TAKESHITA(竹下幸之介=DDT、AEW、新日本)、棚橋弘至(新日本)、OZAWA(ノア)の5人。2月に当時45歳でIWGP世界ヘビー級王座を初戴冠した後藤については「特に前半戦はベテランとしての存在感を発揮し、後藤ブームを巻き起こした」と後藤革命でファンを魅了した点が評価された。

女子で異例のノミネートとなった上谷については「去年12月にワールド王座を戴冠して防衛し続け、中野たむとの引退マッチでも話題になった。テレビ番組に出演してスターダム、プロレスの認知度を上げ業界の発展に貢献した」などと、リング内にとどまらない活躍が推薦理由として挙げられた。

竹下については「初めて3団体に所属し、1月4日にダブルタイトルマッチで鷹木(信悟)選手に勝ち、G1優勝、ザック(・セイバーJr.)に勝ってIWGP世界ヘビーを戴冠。結果を残してきている」と文句なしの実績と評する意見が出された。

また、棚橋については「来年1月4日東京ドームに引退を控えていることもあって、1年通じて印象が強かった。タイトル戦線でもいろんな王者から指名された。来年の東京ドームが完売という偉業もある」と現役最後の年にMVPに推された。

OZAWAについては「カステラをもらったので…」との声もあったが、デビュー最速の2年4か月でGHCヘビー級王座を戴冠した実力を踏まえ評価された。「身体能力、緩急自在の試合運びを保守本流のノアで見せつけたのは大きい。またプロレスの試合動画を広め、20代にもプロレスの面白さを波及させた。芸能活動ではなく、プロレスの試合自体を広めたことは2025年で一番インパクトがあった」として推薦された。

投票では後藤が1票、上谷が11票、竹下が0票、棚橋が5票、OZAWAが2票となり、1回目で過半数を獲得した上谷の史上初、女子でのMVPが決定した。

【年間最高試合賞(ベストバウト)】
次の7試合が推薦理由とともにノミネートされた。

3冠ヘビー級選手権 宮原健斗対潮崎豪(全日本10月22日、後楽園ホール)

「ノアを退団した潮崎の戦いぶりが注目される中、2人のベテラン選手による技の攻防がうまくシンクロした」

GHCヘビー級選手権 清宮海斗対OZAWA(ノア1月1日、日本武道館)

「この試合を機にノアが上昇気流に乗った。その後の地方の大会でもチケットが売れたと聞いている」。「この一戦からOZAWAを見たいという雰囲気にさせた。団体のムードを変える力を持っている」

G1優勝決定戦 KONOSUKE TAKESHITA(竹下幸之介)対EVIL(新日本8月17日、有明アリーナ)

「竹下が初優勝。EVILの良さも感じた」

ケニー・オメガ対ゲイブ・キッド(新日本1月5日、東京ドーム)

「この試合はすごくよかったという声が多い。棚橋選手も感動して泣いていたほど」

IWGP世界ヘビー級選手権 ザック・セイバーJr.対後藤洋央紀(新日本2月11日、大阪府立体育会館)

「100%後藤に勝ってほしいという空気感の中、全員が望んでいた結果に。あの空気感、一体感はベストバウトに値する」

ワールド王座選手権 敗者引退マッチ 上谷沙弥対中野たむ(スターダム4月27日、横浜アリーナ)

「そこに至るまでの経過、起きた結果も含め近年では例を見ない特殊な試合。上谷のブレークのきっかけにもなった。同じ試合は二度とない」


棚橋弘至対男色ディーノ(DDT8月31日、後楽園ホール)

「新日本とDDT、メジャーとインディの関西学生プロレス時代の同世代による初対戦が実現した、エポックメイキングな試合。試合も素晴らしく、10年前の因縁も精算。かつ、棚橋選手のTバック」

投票の結果、1回目の投票で宮原対潮崎1票、清宮対OZAWA9票、竹下対EVIL0票、ケニー対ゲイブ5票、ザック対後藤2票、上谷対中野1票、棚橋対ディーノ1票に。過半数に満たず、上位2試合となった清宮対OZAWA、ケニー対ゲイブの決選投票となり、10票を獲得した清宮対OZAWAに決定した。

【最優秀タッグ賞】
次の4組が推薦理由とともにノミネートされた。

センダイガールズワールドタッグ王者組「チーム200キロ」の橋本千紘&優宇
「最近、タッグチームらしいタッグがない中、あるとすればチーム200キロ」「どこいってもあのチームは面白い」

新日本IWGPタッグ王者組「ノックアウト・ブラザーズ(K.O.B)」ことYuto―Ice、OSKAR
「IWGPタッグを初挑戦で取って、ワールドタッグリーグは優勝できなかったが、強い内容といい言動といい、新日本のタッグのフェーズを変えたかなというインパクトを残した」

東京女子のプリンセスタッグ王者組「オーバーイーツ」の上福ゆき&上原わかな
「いままでなかったタッグ。ファンのリアクションにもつながっている」

全日本の世界最強タッグ決定リーグ戦」を制した綾部蓮&タロースの「タイタンズ・オブ・カラミティー(ToC)」
「2メートルを超えているのは面白い。説得力が違うので現場で見ていて面白い」

該当組なしも1票が入った。

投票の結果、「チーム200キロ」が4票、「K.O.B」が11票、「オーバーイーツ」が3票、「ToC」が0票となり、「K.O.B」の初受賞が決まった。

【殊勲賞】 
KONOSUKE TAKESHITA(竹下幸之介)、棚橋弘至、OZAWAの3人がノミネートされた。1回目の投票で竹下8票、棚橋3票、OZAWA8票に。決選投票の結果、竹下が10票で9票のOZAWAを上回り、竹下に決まった。

【敢闘賞】
高橋ヒロム(新日本)、棚橋弘至、シュン・スカイウォーカー(ドラゴンゲート)、Sareee(フリー)、OZAWAの5選手がノミネートされた。1回目の投票でヒロム5票、棚橋3票、シュン1票、OZAWA4票、Sareeeに6票が入った。

「新日本だけではなく、ノアなど多方面で活躍した」「IWGPタッグをジュニアで取ったのは日本人では初めて」と高い評価のヒロムと「敵地でファンとも戦っているところも合わせて敢闘という言葉は合っている」との声が上がったSareeeの決選投票に。11票を獲得したSareeeが8票のヒロムを上回り、女子初の三賞受賞が決定した。

【技能賞】
シュン・スカイウォーカー、OZAWA、高橋ヒロム、鈴木みのる、棚橋弘至、黒潮TOKYOジャパン(アップタウン)の戦いに。1回目の投票でシュン1票、OZAWA6票、ヒロム5票、みのる1票、棚橋5票、黒潮1票で過半数に満たず。決選投票は偶数となったため、2位票同士の投票を実施。10票の棚橋が8票のヒロムを上回り、1回目1位のOZAWAと決選投票となった。OZAWAが6票、棚橋が12票となり、現役最後の年に自身初の技能賞に決定した。

【女子プロレス大賞】
MVPを獲得した上谷沙弥が自動的に選出された。

【新人賞】
新橋二郎(ドラゴンゲート)、小田嶋大樹(ノア)、武知海青(DDT/LDH)、ビクトリア弓月(マリーゴールド)、永井大貴(新日本)がノミネートされた。1回目の投票で1票の新橋、3票の小田嶋、3票の弓月、2票の永井を抑え、「タレントとプロレスの関わり方のゲームチェンジャーになる新人」と評された武知が10票を獲得し、新人賞に輝いた。


また、お笑いコンビ「くりぃむしちゅー」の有田哲平に、特別話題賞が贈られる。有田は22年から始まったYouTube「有田哲平のプロレス噺【オマエ有田だろ!!】」で、プロレスの魅力を発信。9月30日には「有田哲平の日テレプロレス噺」を〝プロレスの聖地〟東京・後楽園ホールで開催するなど、さまざまな試みでプロレス文化の発展に取り組んだ。

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  • 入場する上谷沙弥
  • 試合後、肩を寄せ合うワールド王者・上谷沙弥(右)と、引退が決まった中野たむ
  • 中野たむ(左)を攻める上谷沙弥
  • 中野たむ(下)をチェーンで絞める上谷沙弥
  • 上谷沙弥に車でひかれた中野たむ
  • 場外でSareee(左)を攻める上谷沙弥
  • 入場する上谷沙弥
  • 渡辺桃(上)を攻める上谷沙弥
  • 2冠になった上谷沙弥
  • TV番組ラヴィット!でプロレス生中継を成功させた上谷沙弥
  • 清宮海斗の顔を舐めるOZAWA
  • 清宮海斗を攻めるOZAWA
  • 清宮海斗(下)にRealrebelを決めるOZAWA
  • OZAWA〝掟破り〟のシャイニングウィザード
  • 勝利したOZAWAは清宮海斗を踏みつける
  • ベルトを奪取したOZAWA
  • ノックアウトブラザーズ(下・Yuto-Ice、上・OSKAR)
  • ノックアウトブラザーズ(左からYuto-Ice、OSKAR)
  • 石井智宏(下)を攻めるOSKAR(左)、Yuto-Ice(右)
  • ワールドタッグリーグで初勝利を飾ったノックアウトブラザーズ(左からYuto-Ice、OSKAR、新日本プロレス提供)
  • 海野翔太をしとめるOSKAR(左)とYuto-Ice(右)
  • NEVER無差別級&AEWインターナショナルダブル選手権試合を制した竹下幸之介
  • 石井智宏(下)を叩きつける竹下幸之介
  • G1 CLIMAX35を制した竹下幸之介
  • IWGP世界ヘビー級王者を防衛した竹下幸之介
  • 後藤洋央紀を攻める竹下幸之介(右)
  • IWGP女子を防衛したSareee
  • 鈴季すず(右)の腕をとるSareee
  • 朱里(下)を攻めるSareee
  • 朱里(右)を締めるSareee
  • 棚橋弘至
  • エアギターを披露する棚橋弘至
  • タイツを脱がされTバックがあらわになる棚橋弘至
  • 棚橋弘至と後藤洋央紀
  • 杉浦透(左)をギターで殴る棚橋弘至
  • 入場する武知海青
  • 高鹿佑也(右)を攻める武知海青
  • トップロープから飛ぶ武知海青(左)
  • 2025プロレス大賞 特別話題賞受賞(左から)福田充徳、有田哲平(YouTubeチャンネル『有田哲平のプロレス噺【オマエ有田だろ!!】』)
  • 2025プロレス大賞 特別話題賞受賞(左から)福田充徳、有田哲平(YouTubeチャンネル『有田哲平のプロレス噺【オマエ有田だろ!!】』)

【選考委員長】 初山潤一(東京スポーツ新聞社編集局次長) 【特別選考委員】 小橋建太 【選考委員】 渡辺卓幸(東京スポーツ新聞社運動二部部長) 紙谷光人(東京スポーツ新聞社写真映像部部長) 中村亜希子(東京スポーツ新聞社運動二部副部長) 岡本佑介(東京スポーツ新聞社運動二部次長) 内田忠宏(東京スポーツ新聞社写真映像部次長) 松下樹(東京スポーツ新聞社デジタルメディア室次長) 前田聡(東京スポーツ新聞社運動二部主任) 山口高明(東京スポーツ新聞社写真映像部主任) 木元理珠(東京スポーツ新聞社運動二部部員) 小佐野景浩(プロレスライター) 村田晴郎(フリーアナウンサー) 千葉修宏(日刊スポーツ) 藤川資野(デイリースポーツ) 仁木弘一(スポーツニッポン) 大西洋和(東京中日スポーツ) 湯沢直哉(週刊プロレス編集長) 井上光(週刊プロレス編集次長)<順不同>

  • 入場する上谷沙弥
  • 試合後、肩を寄せ合うワールド王者・上谷沙弥(右)と、引退が決まった中野たむ
  • 中野たむ(左)を攻める上谷沙弥
  • 中野たむ(下)をチェーンで絞める上谷沙弥
  • 上谷沙弥に車でひかれた中野たむ
  • 場外でSareee(左)を攻める上谷沙弥
  • 入場する上谷沙弥
  • 渡辺桃(上)を攻める上谷沙弥
  • 2冠になった上谷沙弥
  • TV番組ラヴィット!でプロレス生中継を成功させた上谷沙弥
  • 清宮海斗の顔を舐めるOZAWA
  • 清宮海斗を攻めるOZAWA
  • 清宮海斗(下)にRealrebelを決めるOZAWA
  • OZAWA〝掟破り〟のシャイニングウィザード
  • 勝利したOZAWAは清宮海斗を踏みつける
  • ベルトを奪取したOZAWA
  • ノックアウトブラザーズ(下・Yuto-Ice、上・OSKAR)
  • ノックアウトブラザーズ(左からYuto-Ice、OSKAR)
  • 石井智宏(下)を攻めるOSKAR(左)、Yuto-Ice(右)
  • ワールドタッグリーグで初勝利を飾ったノックアウトブラザーズ(左からYuto-Ice、OSKAR、新日本プロレス提供)
  • 海野翔太をしとめるOSKAR(左)とYuto-Ice(右)
  • NEVER無差別級&AEWインターナショナルダブル選手権試合を制した竹下幸之介
  • 石井智宏(下)を叩きつける竹下幸之介
  • G1 CLIMAX35を制した竹下幸之介
  • IWGP世界ヘビー級王者を防衛した竹下幸之介
  • 後藤洋央紀を攻める竹下幸之介(右)
  • IWGP女子を防衛したSareee
  • 鈴季すず(右)の腕をとるSareee
  • 朱里(下)を攻めるSareee
  • 朱里(右)を締めるSareee
  • 棚橋弘至
  • エアギターを披露する棚橋弘至
  • タイツを脱がされTバックがあらわになる棚橋弘至
  • 棚橋弘至と後藤洋央紀
  • 杉浦透(左)をギターで殴る棚橋弘至
  • 入場する武知海青
  • 高鹿佑也(右)を攻める武知海青
  • トップロープから飛ぶ武知海青(左)
  • 2025プロレス大賞 特別話題賞受賞(左から)福田充徳、有田哲平(YouTubeチャンネル『有田哲平のプロレス噺【オマエ有田だろ!!】』)
  • 2025プロレス大賞 特別話題賞受賞(左から)福田充徳、有田哲平(YouTubeチャンネル『有田哲平のプロレス噺【オマエ有田だろ!!】』)
年別